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2019年11月10日 東京茶道会茶会(十一月)

2019年12月13日(金)
十一月の「東京茶道会茶会」は十日(日)、護国寺〈月窓軒〉にて今井宗恵様がお席主を務められました。
気持ちの良い秋晴れとなったこの日は午後から御即位のパレードがあり、東京茶道会も炉開きということで、お道具組も祝意に満ちたものとなっております。
御軸はご流祖筆の一行で「千年丹頂鶴」。こちらと後述の亀甲棚との組み合わせで鶴亀という御趣向。またご流祖在判の竹一重切花入の銘が「西王母」で、これもあとで記します一元斎作の茶杓が銘「蓬莱」。蓬莱山に住むのが東王父で、「東王父」「西王母」のお取り合わせには、天皇皇后御夫妻の御慶福を祈願されたと承りました。お花は白玉椿と榛(はしばみ)。鴛鴦の香合は二代自得斎作という珍しいもの。また、脇床に飾られた千鳥草蒔絵の硯筥にも息を呑むような美しさがありました。
お釜は立派な八景地紋の天猫。肩に霰があり、膚の柔らかな感じも独特。炉縁もお目出度い青海波蒔絵。亀甲棚には松亭作の一輪菊蒔絵棗と、清代嘉慶年製銘のある鳳凰が描かれた染付の水指。細身の佇まいが亀甲棚と似合っておりました。
主茶盌は御本、替茶盌はお目出度い慶雲紋の京都・粟田焼、さらに三客様のお茶盌は御深井(おふけい)焼と、これも凝ったお取り合わせ。特に御深井焼について丁寧に御説明があったのは有難いことでした。尾張徳川家の御庭焼で名古屋城内の御深井丸に窯が築かれたことから名前で、灰釉に長石を加えて透明度を高めた釉薬を施したとのこと。この日のお茶盌もその特色が十分に感じされる作でありました。
その他のお道具組については、以下のお会記を御覧いただくとして、祝意とともに、秋らしさを保ちつつも華やかさが伝わってきた〈月窓軒〉のお席でありました。
〈会記〉
令和元年十一十日
東京茶道会茶会
於 音羽護国寺「月窓軒」
主 今井宗恵
床 流祖筆一行
千年丹頂鶴
花  椿 榛
花入 竹一重切 銘 西王母 流祖在判
香合 鴛鴦 二代自得斎作
脇 硯筥 千鳥草蒔絵
釜  天猫 肩霰 八景地紋 大西極
炉 縁 青海波蒔絵
風炉先 一元斎好 熨斗目
水指 染付
茶器 不白好 一輪菊棗 松亭造
茶碗 御本
替 粟田焼 慶雲紋
替 御深井
茶杓 一元斎作 銘 蓬莱 箱筒共
建水 毛織 浄益造
蓋置 宝殿 蓮々斎在判 一元斎箱
御茶 寿泉の白 ほ里つ詰
菓子 重ね菊 赤坂 塩野製
器 呉須 魁鉢
以上

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