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東京茶道会茶会(十一月)

2018年01月4日(木)

東京茶道会茶会(十一月)
十一月十三日(日)護国寺
十一月の東京茶道会茶会が十三日(日)に護国寺にて開かれ、江戸千家からは岩﨑宗晴様が〈艸雷庵〉にてお席主をお務めになりました。
今回は立礼のお席。「東京茶道会」で江戸千家の方が立礼席で席主をされるのは多分初めてではないかとのこと。
その〈艸雷庵〉にはお家元が懸釜をされる折に何度か伺っておりますが、今回はいつも水屋となっている板の間を立礼席に。ここで床をどのように設けるかでご苦心があったと承りましたが、正面横広の棚を巧みに利用され、脇の障子窓からの光を取り込んだ見事な御工夫と拝察。また全体的に落ち着いた雰囲気のお席の所々に華やかなものを配されたお道具組からも立礼席らしさ感じ取れました。
そのお道具組の詳細は下記記載のお会記を御覧いただくとして、床の御軸はお家元五十歳頃にお書きになった「老松」。その鋭い筆致が印象的です。
花入は大亀老師の花押のある信楽ですが、共蓋もあるので中置の細水指としても使えるのだそうです。
高円卓に大きさが適していたお釜は棗型。また水指は十四代亀井味楽作の高取でしたが、その色合が高円卓の黒の天板に映えて美しく、主茶碗、替茶碗ともに発色が他とは少し違って見え、特に替茶碗は大樋焼とは思えぬ黄色味が強く、描かれた菊の画とも相俟って面白く拝見できました。
寒さの厳しい日が続いた後の小春日和の一日。快晴にも恵まれ、またどのような立礼席を設えられるのかという楽しみとともに、多くの方々がお見えになったこの日の〈艸雷庵〉でありました。

〈当日の会記〉
平成28年11月13日
東京茶道会茶会
於 音羽護国寺 艸雷庵(立礼)
主 岩﨑宗晴
床 当代家元筆 老松
花  白玉椿 藤袴
コバノズイナの照葉
花入 信楽 大亀老師花押
杉本貞光造
香合 布袋  長入造 弘入極
釜  棗型 大西清左衛門造
棚  高円卓 家元好
水指 高取  十四代味楽造
茶器 菊木地蒔絵
茶碗 白楽七五三  弘入造
槌の画彫
替 菊の絵
九代大樋長左衛門造
茶杓 流祖不白 牙  筒不白花押
建水 エフゴ型  宗甫造
蓋置 南鐐 雪輪 平田宗道造
御茶 寿泉の白    ほ里つ詰
菓子 いちょう 目白志むら製
器 螺鈿四方皿
以上





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