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平成二十八年八月号 其の三

2016年08月22日(月)

東京茶道会茶会(六月)
六月十二日(日)護国寺
六月の「東京茶道会茶会」は先述の「不白敬和会」の翌日、六月十二日(日)に行われ、江戸千家からは山田宗宣様が〈月窓軒〉にてお席主を務められました。薄曇りの一日、前日に比べれば過ごしやすく大勢様がお見えになった〈月窓軒〉でありました。
「こういう時季なので少しでも涼しさを感じていただければ」とのお席主山田様よりの御挨拶の通り万事清涼感に溢れたお道具組。詳細は文末のお会記を御覧いただくとして、ここでは印象深かったいくつかをご紹介いたします。
床の御軸は御流祖筆の一行「涼陰可一庭」。小庭の涼やかさを詠んだ語句とのこと。時に涼風が吹き抜けていったこの日の〈月窓軒〉に合った御軸でありました。お花も蛍袋を中心に五種が涼しげに。あわせて御菓子も青山菊家製「ほたる袋」という凝った御趣向。
釜は筒釜の一種で吉羽與兵衛作の九輪釜。九輪とは仏塔の頂上にある九重の輪装飾のこと。風炉も珍しい唐銅の象足。文字通り象の足で支えられた風炉ですが、象は平和の象徴とのお気持ちをここに籠められたとのこと。
席中で特に目を惹いたのが月白釉も美しい朝日焼の水指。昨年急逝された十五世豊斎氏の作で、多分遺作ではないかとのお話にはビックリ。
茶器も素晴らしいもので、一兆作の河骨蒔絵。河骨は睡蓮科の水草。甲蓋と胴の大胆な構図や蓋裏の蜻蛉の蒔絵の見事さにお客様からは驚嘆の声が。いかにも一兆らしい作との声も多く聞かれました。
主茶?は一入作、了入極の赤樂の平茶?で銘「緑陰」。御軸の語句とも合う御銘で、替茶?の瀬戸唐津ともども美しいお茶?の取り合わせでありました。

〈会記〉
平成二十八年六月十二日
東京茶道会茶会
於 音羽護国寺 月窓軒
主 江戸千家 山田宗宣
床 御流祖筆一行
涼陰可一庭
花  蛍袋 楊柳 桔梗
紫陽花 松本仙翁
花入 真垣籠
香合 唐物 堆朱
風炉 唐銅象足 朝鮮風炉
釜  九輪釜 吉羽與兵衛造
先 七宝透かし砂子ちらし
棚  双鶴棚
水指 朝日焼 月白釉 豊斎造
茶器 河骨蒔絵 一兆作
茶? 一入赤 銘 緑陰 了入極
替 瀬戸唐津 山口錠鉄造
茶杓 御流祖作 銘 白鶴 共筒
建水 楽
蓋置 一元斎好 雪輪 
御茶 寿泉の白 ほ里つ詰
菓子 ほたる袋 青山菊家製
器 高坏 溜塗り
以上


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