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平成二十八年八月号 其の二

2016年08月12日(金)

第五十回記念
不白敬和会
六月十一日(土)護国寺
音羽・護国寺にて今年も「不白敬和会」が六月十一日(土)に催されました。今回は第五十回の記念茶会ということで四席にお釜が懸かりました。その四席は以下の通り。
〈楓の間〉 お家元  
〈月窓軒〉 土肥宗宏様
〈不昧軒〉 小川宗洋様
〈牡丹の間〉 中村宗正様
当日は入梅中ながら快晴で最高気温は二九℃。もはやほぼ真夏日といった気候でしたが、記念のお茶会でもあり、朝早くから大勢様がお出ましに。
〈楓の間〉は有難いことに冷房が効いていて席入りされたお客様方もホッとされたご様子。こちらではお点前を若宗匠が務められ、半東には峯雪先生が入られました。
床の御軸はご流祖筆の画讃「田毎の月」。植田が青田へと変化するまさにこの時季ならではの御軸。唐物籠に夏椿二種と鉄線の組合せは涼しげな風情。香合は錫縁の亀甲花菱。
宗鶴師お好みの双鶴棚には藍阿蘭陀の水指。今回は五十回記念なので、五十年前の第一回の思い出をお話になるお客様が多く、あわせて双鶴棚から宗鶴師の思い出を話されるお客様もお見えになりました。また数あるオランダ水指の中でもこの藍阿蘭陀ほど深い色合は珍しく、不思議な絵柄共々独特の佇まいの水指でした。茶器は一元斎好の雪輪紋蒔絵。金沢蒔絵の名工・大垣昌訓(一八六五~一九三七)の作ではないかと。
主茶碗はご流祖箱書のある唐津三島で銘「老亀」。その味わい深い色合からご流祖がかなり使い込まれたことが偲べるお茶碗でした。また研究がまだそれほど進んでいない江戸後期の時点で、本作を唐津焼の三島写と認識されていたご流祖の鑑識眼の高さがわかるとのお話も承り、記念の「不白敬和会」に相応しい主茶碗でありました。
替茶碗は丸紋付の祥瑞。祥瑞の代表的な模様。色も鮮やかな青味が清々しくこの日の気分に合ったお茶碗でした。
茶杓は覚々斎作、銘「ほととぎす」。華奢で優しげな作。こちらには江戸中期の茶人・伊丹宗朝の共箱が添っておりました。蓋置は十四代沈壽官作の色絵薩摩。
お菓子の葛焼きもいかにも涼しげで、暑かった一日でしたが、お道具組から伝わる清涼感がそのまま安堵感につながっていった〈楓の間〉のお席でありました。
当日のお道具組の詳細は、以下に記載します各席のお会記をご参照ください。

【当日の会記】
護国寺〈楓の間〉
主 川上閑雪
床 流祖筆 田毎の月の画讃
花  沙羅(夏椿)二種 鉄線
花入 唐物籠
香合 亀甲花菱
風炉 釜 流祖好 菊桐紋透木 道也作
風炉先 塗縁腰金砂子
棚  双鶴棚
水指 藍阿蘭陀
茶器 一元斎好 雪輪紋
茶碗 流祖所持 唐津三島
銘 老亀 流祖箱
替 祥瑞丸紋
茶杓 覚々斎作 銘 ほととぎす
伊丹宗朝箱
建水 砂張
蓋置 色絵薩摩三葉
御茶 松の齢 松華園詰
菓子 葛焼き 鶴屋八幡製
器 縁高

〈月窓軒〉
主 土肥宗宏
床 不白筆 富士山画賛 一元斎箱
白雲の上もまたあり富士の雪
花  下野 虎の尾 夏秋明菊
花入 青磁 船 置いて
香合 了々斎好 簾貝 共箱
棚  三ヶ月棚 伊佐幸?好
釜  芦屋 筒 
風炉 唐銅 欄干 長野 烈極
水指 染付 龍紋
茶器 松の木 金輪寺形
護国寺管首佐々木教純箱
茶杓 高田太郎庵作
鈍翁追銘恙なし 森川如春庵所持
茶碗 蕎麦(ソバカス手)
四代久田宗也箱
替 仁清模 忍絵 楽屋長造作
建水 銀ヤスリ粉 瓔珞紋
蓋置 唐銅 水紋透
菓子 紫陽花 同葉 太市製
器 砂張 青海盆 他

〈不昧軒〉
主 小川宗洋
床 酒井抱一筆 朝顔と硯箱の図
脇 如意 不白所持
花  山法師 木賊
花入 竹一重切 銘 五月雨
其心庵宗明ヨリ来タル
香合 錫 松島蒔絵
風炉釜 不白好切合 名越昌芳造
長板
風炉先 寄木結界
水指 染付 平
茶器 黒柿 金輪寺
天下一 戸沢左近造
茶碗 高麗 蕎麦
替 安南 トンボ手
茶杓 牙 利休形 黒塗 彭祖宗哲造
建水 黄銅モール
蓋置 胡銅 笹蟹
御茶 初音 奥西緑芳園詰
菓子 あがり羊羹 半田松華堂製
器 鎌倉彫 後藤博古堂製

〈牡丹の間〉
主 中村宗正
床 空門風自涼 黄梅院小林太玄筆
花  額紫陽花 突抜忍冬
花入 唐物篭写 瓢阿作
香合 瓢蒔絵
風炉釜 芦屋 糸目唐銅八角切合
風炉先 桑縁 しゃ
棚  石州好 簀ノ子棚
水指 ボヘミヤ平
茶器 得庵好 茶桶型曲
夕がおくずの花
茶碗 のんこう赤楽 銘 きか猿
不及斎宗也在判 不白外箱
替 青磁 扇面
茶杓 大亀作 銘 清風 共筒
建水 志土呂焼
蓋置 古銅 かに
御茶 不老春 平野園詰
菓子 練切り 撫子 ときわ木製
器 染付兜鉢
替 仁清写 撫角 七宝菊透鉢
以上








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