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東京茶道会招待茶会

2018年01月4日(木)

東京茶道会招待茶会
二月十一日(土・祝)護国寺・牡丹の間
二月十一日は「建国記念の日」。
毎年「東京茶道会招待茶会」が護国寺において開かれますが、今年もお家元が〈牡丹の間〉にてお席を持たれました。この日は列島全体が強い寒気に覆われ、日本海側は豪雪、東京は快晴ながら底冷えが厳しい一日でありました。
お点前は若宗匠、峯雪先生が務められ、半東には智大様が入られました。
いつもながらお正月の雰囲気を取り込まれるのがこのお席の特徴かと。今年も御宗家「初釜」のお道具組の内よりいくつかをあえて用いられたとのことでした。
床の御軸は干支に因んだご流祖筆、鶏の画讃「金鶏報暁五更前」。
飴釉の濃い丹波焼の花入は江戸初期のもの。そして木を添えた寒牡丹が誠に見事で、毎回お客様から感嘆の声があがっておりました。御軸に合わせた「朝日」香合は旦入の作。
釜は肥前芦屋、梅竹地紋の真形釜。こちらと松梅蒔絵の棗とが並ぶことで松竹梅が揃うというお目出度い御趣向。
青塗爪紅の高麗卓は永田習作の作。こちらには高取焼一重口の水指。水指が高取としては黄色味が強いものの少し地味だったので、真塗ではなく青塗爪紅の方を使われたとのことでした。なお青塗爪紅の高麗卓といえば表千家十二代惺斎宗匠の好みとして知られていますが、作者の永田習作は幕末から明治の人で惺斎宗匠とは時代が合わず、また本作の形はお好みの高麗卓とはやや違っているとお教えいただきました。
主茶碗はご流祖の箱書に銘「氷柱」とある樂五代宗入作の黒樂。替茶碗は御本。御本茶盌としてはやや青味がかった色調が艶やかさを出し、割高台に膨らみの少ない形など、二つのお茶碗が並ぶと実にすっきりした感覚が伝わってくる、この時季らしい取り合わせでありました。
茶杓は細身の啐啄斎作共筒、碌々斎共箱の銘「初午」。「今年は明日が初午ですから」とお点前をされた若宗匠が話されますと、やはりお客様方から声がもれます。
また今回は蓋置がユニークで、黄色い板を丸めたような造形。これを上から見ると「の」の字になっており、今年の「歌会始」の御題「野」に合わせて選ばれたと。作者は川瀬竹志。
御菓子が鶴屋八幡製、紅白の咲分きんとん。これも初釜の担雪軒ではお馴染み。
その他お道具組の詳細については以下のお会記をご参照いただくとして、多くのお客様が「春は名のみの……」と話されていたこの日でしたが、そうした季節感と一年最初の「東京茶道会茶会」というどこかお目出度い感じが巧みに織り込まれていた〈牡丹の間〉でありました。

〈当日の会記〉
平成二十九年二月十一日
音羽護国寺 牡丹の間
主 江戸千家宗家家元  
       川上閑雪
床 流祖 鶏画讃
金鶏報暁五更前
花  牡丹
花入 丹波
香合 旦入 朝日 
古今の判     共箱
釜  肥前芦屋 真形 梅竹地紋
風呂先 四ツ折 流祖好 
炉縁  真
棚  青塗爪紅 高麗卓
永田習作作
水指 高取 一重口
茶器 時代 松梅蒔絵棗
茶碗 宗入 黒 
銘 氷柱     流祖箱
替 御本
茶杓 啐啄斎 銘 初午  共筒
二百の内   碌々斎箱
建水 好 砂張
蓋置 のゝ字   川瀬竹志作
御茶 寿泉の白    ほ里つ詰
菓子 紅白きんとん 鶴屋八幡製
器 縁高 黒
以上






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