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2018年8月17日 神田明神 巫女さん入門講座[中級編]若宗匠による「茶道実習」指導

2018年11月19日(月)
御宗家と所縁の深い神田明神様において、今夏も〈巫女さん入門講座〉が開かれ、八月十七日(金)の〝中級編〟において、若宗匠が『茶道実習』の講師として講義と実技の御指導をされました。
午後一時、白衣(白小袖)に緋袴という巫女装束を召した受講生の方々が背筋を真っ直ぐに着座されている中、若宗匠が御登壇に。時間も限られていることから早速に「茶道について」と題された御講義が始まりました。
まずは序章として茶道の御流儀について、そしてご流祖が宝暦五年に明神様境内に「蓮華庵」を建てられた以来の御縁について、「蓮華庵」や「花月楼」の古図を示しながら御説明になり、第一章の「飲料としての茶」が始まりました。身近なお茶にも様々な種類があり、さらに茶摘や製茶にも多様な方法があることに驚かれていたようです。その後の御講義は次のように進められました。
・第二章「お茶の起源と伝播」
・第三章「茶道の歴史」
・第四章「茶会と茶事」
・第五章「茶道の理念」
御覧の通り一時間余りの御講演としては充実した内容になっておりますが、とてもコンパクトでかつ丁寧にお話になりましたので、初心者の方々にも十分に御理解いただけたことと思います。なかでも第五章「茶道の理念」の内容が濃く、御茶は総合芸術であり、三つの要素(道具+点前+人)が心の美しさ(=非日常の美)を表現した行動文化である。そして茶の湯の「寄合性」に言及され、〝一座建立〟〝和敬清寂〟の意味を解説されて、今後より国際化に向かう日本において、かつて欧米の知識人達が絶讃した日本人の「心の豊かさ」を取り戻すためにも、茶道の存在意義が大きいと感じています、とお話になり御講演を結ばれました。
次は実技入門ということで、御社殿の右にある「奥御殿」に設えられたお茶席へ移りました。こちらには翠鶴先生、峯雪先生、智大様がお出ましになり、お道具組も本格的なお席となっておりました。
お茶席は初めてという方が多かったので、お点前を始める前に若宗匠から基本の御指導がありました。まず(お茶席での)御挨拶の仕方、お菓子の取り方、頂き方を。そして峯雪先生が模範を示されたうえで、若宗匠が御茶を頂くにあたっての注意点を解説されるという懇切な御教示となっておりました。
小憩をはさんで(ここで痺れた足の対処法の御指南も)、いよいよお茶会実習が始まります。若宗匠がお点前をされ、智大様が半東をお務めに。床には夏らしくご流祖写・一元斎筆の画讃〝白浪漲天〟。手付の木籠にお花は金水引、桔梗、沢桔梗、小判草、浜撫子の五種。火焔太鼓蒔絵の香合。真塗の長板には欄干風炉釜と水指は切子の義山(ギヤマン)。主茶盌は翠鶴先生手造の馬盥、替茶盌は七代道八作の乾山写、さらに以前若宗匠がパリで求められたという見立て物の平茶盌もあり、ご説明を聞いた皆さんも興味深げに拝見されておりました。
受講された皆さんの真剣に学ぼうという姿勢に応え、若宗匠が非常にわかりやすく丁寧な御指導に努められました。こうした真摯なご対応によって茶道愛好者の裾野が拡がってゆくのだと感じられた〈巫女さん入門講座〉の一日でした。
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