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2020年1月5日 神田明神初詣と新年会

2020年03月17日(火)
年が明けて令和二年は庚子歳。例年の如く今年も神田明神様での初詣御報告からの一年が始まります。
本年の初詣は一月五日(日)。境内の人出は昨年以上のようで、この人波をいかにかき分けて境内の明神会館に行くか、皆さん御苦心があったようです。当方も迂回路を探っていたところ、お家元はじめ翠鶴先生、若宗匠、峯雪先生、智大様がお見えになりましたので、思わず路上にて新年の御挨拶。そのまま明神会館まで御一緒させていただきました。
午後二時三十分、御宗家の皆様方とともに控室に入り、御参会の江戸千家有志の方々と新年の御挨拶を交わし御案内を待ちます。
午後三時、御先導に続いて御本殿へ。お家元を先頭に皆様が昇殿し着座されますと、これより江戸千家の「新春特別参拝」が始まる旨のアナウンスが流れましたが、振り返ると本殿前で待つ大勢様の視線がこちらに集まっているのがわかり、大袈裟でなく〝圧〟を感じました。
まずは祓詞(はらいことば)の奏上、修祓を受け、ご祭主による神前での祝詞奏上。全員低頭してこれを聴き入ります。お家元はじめ御宗家の皆様、そして御参列の方々全員のお名前が読み上げられましたが、結びで茶道を通して「世の人々の心をなごまし給え」との一節が強く心に残りました。
その後、巫女お二方より福鈴が授けられ、御宗家の皆様が御神前に玉串を奉奠されますと、これにあわせ御一同様も揃って二礼二拍手にて参拝。改めて修祓を受けて「新春特別参拝」も恙なく終了。御神酒を頂戴して、また控室に向かいましたが、人出が多いため境内を横切れず、やむなく御本殿の裏を抜ける迂回路にて戻りました。
恒例の新年会は引き続き明神会館「千歳の間」にて開かれ、今年も澤田宗直様が司会をお務めになって開会されました。
まずはお家元がお立ちになり、全員で改めて新年の御挨拶をし、お家元より新春にあたっての御言葉を頂戴いたしました。お家元は昨年のご流祖生誕三百年記念の諸行事について触れられたうえで、五十年前の生誕二五〇年の折、お家元が中心となって西武百貨店で開催された「川上不白展」についてお話しになり、思えばあの展覧会が川上不白再評価のきっかけになったとのこという御流儀にとって重要なお話を御披露して下さいました。
次いで翠鶴先生、若宗匠よりも新年の御挨拶をいただいたところで、司会の澤田様より、この元日、智大様が二十歳に誕生日を迎えられ、目出度く成人となられた旨の御報告があり、御一同様より大きな拍手が湧き起こりました。ここで再び翠鶴先生がお立ちになり、智大様にお祝いの記念品を手渡され、智大様が御礼の言葉を述べられますと、会場の雰囲気はさらに盛り上がってゆきます。
乾杯の御発声は御来賓を代表して今年も岐阜大学教授・森田晃一先生にお願いいたしましたが、御言葉の中で、昨年一年間の『孤峰』を読み返された感想を述べられ、最も印象に残ったのは9月号掲載の「御茶事体験会報告」の記事であり、こうした新しい試みの積み重ねこそが、歴史的にみても実は伝統を守るうえで一番大切であると説かれ、励ましとともに江戸千家の一層の繁栄を祈念して下さいました。
森田先生の御発声により全員で乾杯を唱和し新年を寿ぎ、食事をいただきながらの歓談の時間へと宴は移ってゆきました。
やがて恒例「ビンゴ大会」となり、いつものように山田裕雪様と智大様が進行役をお務めに。例年通り一等と二等の方にはお家元御直筆の短冊が、三等以下の方々にも豪華な景品が御用意されておりましたが、今年最初の〝ビンゴ〟となったのはなんとお家元。御流儀にとって幸先の良い新年会となりましたが、ここで問題はお家元にどの景品をお贈りするか。遠慮されるお家元に若宗匠と智大様がいろいろとお勧めになるという不思議な時間が流れましたが、会場はより和気に満ちてゆきました。
全員に景品が行き渡り、さらにのんびりした会話を楽しんでおりましたが、予定の時刻となり、閉会の辞を日本橋教場の遠山公一様が述べられて新年会もお開きに。
幾重にもお目出度いことが積まれたような今年の新年会。新春から楽しく、嬉しい時間を過ごせたことに感謝するばかりでした。
(「孤峰 江戸千家の茶道」令和二年二月号より)

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