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2019年12月18日~ 第四回 マカオ国際博覧会〈日本ブース〉茶道文化体験茶席 若宗匠席持

2020年03月17日(火)
令和元年一二月一八日から二一日の四日間、中国・マカオにおいて「第四回マカオ国際博覧会」が開催されました。今回は特別に〝日本文化の啓蒙〟を目的とする〈日本ブース〉が初めて準備され、その中心には江戸千家の皆様によるお茶席が設けられることとなり、御宗家より若宗匠、峯雪先生、智大様、そして御社中より一三名様が御参加になって御茶を通しての国際文化交流に貢献されました。
マカオは現在カジノで有名ですが、そもそもは一五五七年にポルトガルが明(!)から居留権を獲得して以来、アジア各地との交易の拠点として発展、繁栄した日本との縁も深いところであります。また現存する多くの歴史的建造物は一括して「マカオ歴史地区」として世界遺産登録を受けており、東西文化が融合した独特な雰囲気を持つ観光地との高い評価を受けております。
ポルトガルから、マカオが中国に返還されたのはちょうど二〇年前の一九九九年一二月二〇日。返還二〇周年記念の国際博覧会は、豪華なカジノ施設として国際的にも知られるホテル〈ザ・ベネチアン・マカオ〉にて開催され、大規模な会場に設置された〈日本ブース〉は、お茶席だけでなく、雅楽や日本舞踊が披露されたステージ、日本酒や和食の提供、美術品の展示など内容は多岐にわたっておりました。
お席は一回に三〇名様ほどが席入できる立礼席。高円卓をはじめとする諸道具はすべて御宗家より現地へ運ばれました。毎回峯雪先生がお点前をされ、半東を智大様が務められたことからも、ご来訪の方々に本格的なお茶席を体験していただこうという若宗匠の強い御意志が感じられます。またより理解を深めていただくため、若宗匠はお点前の邪魔にならぬよう少しずつ区切りながら、御茶の頂き方から、お道具組に籠められた意味、そしてちょっとした基本的なマナーまでを丁寧に解説され、これを御社中の台湾ご出身の陳緯様が逐次中国語に訳して下さいましたので、多くのお客様方が頷きながら御茶と御菓子を召し上がっておられました。
特設の床にはお家元筆「福寿」が掛けられて返還二〇周年への祝意が示されました。四方に下蕪型の花入は亀井味楽の作。最も苦心されたのがお花で、こればかりは現地調達でありますが、季節感の違うマカオで皆さん文字通り諸方奔走して入手されたとのこと。海外でのお席の難しさを実感いたしました。雪輪型の香合は川の流れに芦の図の蒔絵。こちらもマカオに合わせての作であります。
高円卓には剣釜。そして朝日焼で月白釉の水指と菊蒔絵の棗という色彩豊かなお取り合わせが、お客様方の視線を惹きつけておりました。同様にお茶盌も意識的に色鮮やかで華やかなものを揃えられましたが、こちらもじっくり拝見する方々が多く見受けられました。お茶杓はお家元作の銘「年の瀬」。ここでは日本の季節感が良きアクセントになっておりました。
御菓子はお馴染み半田松華堂製「むさしの」が選ばれましたが、若宗匠はこちらに特別の発注をされ、マカオの旗(区旗)をイメージした配色(緑地に白と黄)というアレンジが加えられました。こちらも御菓子のおいしさと共にその御趣向が大好評でありました。
いつもは取材だけの当方も、今回はお席の設営段階から立ち会うことが出来ましたが、海外故の難しい状況下にあっても安易な妥協はせず、より良いお茶席になるよう所定の時間ギリギリまで努められる若宗匠の御姿勢を拝見し感銘を覚えた次第です。
以上、簡単ながら「第四回マカオ国際博覧会」でのお茶席の御報告まで。
(「孤峰 江戸千家の茶道」令和二年二月号より)

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